以前にある人から営業実態のない会社、いわゆる休眠会社を譲り受けました。
特に使い道もないのでそのまま放ったらかしにしていましたが、最近になってこの会社を使いたいという人が現れたため、放置したままになっていたこの会社を叩き起こして使うことにしました。
と言っても会社登記のことなんか私は何にも知りません。会社登記を取り扱う役所は法務局、というのは知ってましたがそれがどこにあるのかも知りませんでした。
というわけで調査開始です。
実はこの話、一ヶ月前くらいから始まっていまして、昨日までその準備をしてきました。
会社登記の窓口である法務局は天満橋にありました。法務省の建物なので同じ建物の中に入国管理局もあり、いつも大勢の外国人がウロウロしています。
先月取得したその休眠会社の全部事項証明書(会社の詳細情報が記載されている、いわば会社の住民票)に基づいて書類を手配し、1ヶ月掛けて書類を揃えました。
今回の登記は専門家に聞いてもかなり難易度の高い登記らしく、初めての私にとってはそれが難しいのかどうかもよく分かりません。
具体的に行う手続きはこうです。
①休眠状態にある会社を起こす
 → 解散登記済みの会社の株主総会を開いて会社継続の決議をする。
②起こした会社の新役員を選任する
 → 旧経営陣から新しい経営陣(私ですね)への移行を株主総会で決議する。
③新しい経営陣の中から社長を決める
 → 新しく就任した役員の中から代表取締役選任を取締役会で決議する。
④定款を変更する
 → 社名、事業目的が記載された定款の変更を臨時株主総会で決議する。
⑤本店移転
 → 本店所在地の移転を取締役会で決議する。
…以上の会議を旧経営陣、新経営陣の両方で開いてその議事録を作成、そしてそれを添付した登記申請書を作成して法務局に提出する必要があります。
その書類を全部並べるとこんな感じになります。
DSCF1333.jpgハッキリ言ってどれもこれまでの人生で見たことのない書類ばっかりです。株の売買経験はありますので株主になったことはありますが、そんなもん登記の知識なんか無くても今では簡単に出来ます。こういう仕事を専門にする人のことを企業法務家と呼んだりしますし、司法書士はそれを資格仕事としてやってる人々です。そんな専門家が存在するくらいですから、これくらい複雑なのも分かります。
こういう流れだけが分かると、あとは書類については定型文というのがありますのでそれに必要な事項を入れていくだけで書類は作成できます。そうして出来上がった書類と必要なものは以下の通りです。

①株式会社清算人、代表清算人、会社継続及び変更登記申請書
②臨時株主総会議事録(会社継続、役員退任・就任、監査役就任の決議)
③取締役会議事録(代表取締役選任決議)
④株式会社変更登記申請書
⑤臨時株主総会議事録(商号変更・目的変更のための定款変更決議)
⑥取締役会議事録(本店所在地変更の決議)
⑦上申書(定款に清算人の定めがないことの上申)
⑧新役員の印鑑証明4通
⑨代表者印の改印届け
⑩別紙OCRシート(目的変更の詳細、原因年月日の記載)
⑪角印、代表者印

以上です。どうですか?会社登記の経験がおありの方にしてみたら「そんなとこやろな」で終わる話ですが、全くの初めてというところからここまで来るには実に苦労しました。全て自分で勉強・相談しながらやったということで、お蔭でずいぶん勉強になりました。法務局の何とも言えないプレッシャー(司法書士などの専門家以外にとって非常に居心地の悪い空気)にも慣れましたし。
昨日この書類を全て登記申請窓口に提出しまして、何も問題が無ければ来週に登記が完了するとのことです。そうでなくて問題がある場合は電話で連絡が入って補正と呼ばれる修正を指示されます。いきなり申請書の代表者欄に代表者印が無いと指摘されましたのでこの部分に補正が入るのは確実です。まさか一発で全てOKとなるとは思ってませんので登記完了に向けて今後も色々とありそうです。
登記完了までリアルタイムでレポートしていきたいと思います。
司法書士の真似ごとするのも楽ちゃいますわ、あぁ疲れたー