正式には大阪教育大学附属平野幼稚園と言います。大阪教育大学は国立大学ですので、その附属幼稚園は当然ながら国立の幼稚園です。大教大は幼稚園から大学までズラッと学校を持っていまして、附属高校までは池田と天王寺と平野にあります。以前教育大学附属小学校に宅間守(すでに死刑執行済)が乱入して児童を殺傷したのは池田の附属小学校です。
国立大学の附属学校というのは得てしてハイレベルな進学校で、有名大学や高学歴を目指す人々からは羨望の的です。小学校からは池田・天王寺・平野にあるんですが、平野には幼稚園がありまして通園40分圏内なら受験することが出来ます。
我が家はたまたまこの平野幼稚園から40分以内の距離にあり、幼稚園くらいなら特に受験対策をしなくても運だけで入ることが出来るかも知れないということで応募しました。何の努力も無くタダで国立大学の附属幼稚園に入れれば儲けものですからね。私はこの程度のモチベーションですが、この幼稚園に入れることに命を掛けている家庭もあります。そのためなら40分圏内に引っ越すことなんか朝飯前です。
実は、我が家は昨年もこの幼稚園の入試に応募しています。去年ダメだったので今年こそはリベンジ、というわけです。
この幼稚園の入試は3段階に分かれています。まず、最初に全応募者から選考対象者を70人に絞るくじ引きをします。70人、というのは男女別なので合計すると140人になります。その抽選に当たった人を対象に選考試験をして、約半分に絞ります。その35人程度の中から更に半分の16人を最後にもう一度抽選をして決めます。つまり2度の強運と試験に合格する学力、これが要求されるわけです。エリートを養成するには相応しい難関ぶりです。
私は去年この1回目の抽選で敗れましたので選考試験すら受けられませんでした。
今年こそはせめて選考試験だけでも受けたい、という目標で10月19日の抽選会に出陣しました。この日は日本シリーズのチケット発売もあったのでそっちも気になるところですが、そんなこと言うと何を言われるか分かりませんのでひとまず抽選モードで平野まで行ってきました。
地下鉄谷町線の平野駅を出て約10分。幼稚園の門をくぐると「いかにも」という感じの保護者がズラリ。本気モード全開で、いかにも縁起を担いだという感じの服装やビシッとスーツを着込んだ人など…いつも通りのテキトーな服で行った私はハッキリ言って浮きました。「オマエみたいな奴が何しに来た?」という刺さるような視線を投げつけてくる本気モードの保護者も居り、心から優しい目線を送ってくれたのは園庭で飼っている山羊だけでした。
人によっては今後の人生を大きく左右する試験の抽選ということもあって、抽選は公平に公平を尽くしたようなシステムになっています。詳しく説明すると長いので割愛しますが、そこまでするかという念の入れようです。
その日の女児応募者は98人。第一次抽選の当選者は70人なので当選確率は70/98ということで71.42%です。おぉ、北斗の黄色オーラ、もしくは大ヤマトの確変確率くらいやん、ということでまず大丈夫という確信を持ちながら抽選会に臨みました。
何重にも公平を期した抽選で引いたくじを開く時が来ました。こんないい加減な動機で抽選しに来てる私ですら結構ドキドキしましたから、本気で子供を受験エリートにしようとしている保護者の緊張たるや相当なもんやったと思います。15人程度を1列に並ばせて一斉にくじを開くことになっており、私は番号が10番だったので一番最初のグループでした。ヨーイドンで開こうとしたらちょっとてこずりました。スムーズに開いた隣、そしてそのまた隣の人のくじが目に入ってきました。するとどうでしょう、2人とも落選です。おっ!これで当選確率は70/96で72.91%に上昇したではありませんか。さらに当選を確信した私が開いたくじは…なんと当選確率をさらに70/95に上昇させただけでした…。この引きの弱さ、道理で先週からパチンコで4連敗してるわけです。そんな引きの悪さを呪いながら帰りの道中で猛然と携帯から日本シリーズのチケット予約電話を掛けまくりましたが、一度もつながらず。何一つ思い通りにならんかった一日でした。この日は会社登記の完了日でしたが、唯一の救いは会社登記がうまくいったことくらいですかね。